センドリターン・エフェクトのプリセット(定義済みエフェクト)を使う

 前回の続き。

 次はセンドリターン・エフェクトを指定する(プリセット済みの既製エフェクトを選択するだけですが)。あれ? それなら前回に済ませたハズでは… と思う人もいるかもですが、前回のは『効果の深さ』をトラック別に指定しただけです。それでも効果がちゃんとモニターできるのは、デフォルトのリバーブ・ディレイ設定がプリセットされていたため、『REVERB SEND』または『CHORUS SEND』を 0 より大きくした途端、その効果が現れたワケ。

 ところで。本題の前に、エフェクトを指定する大まかな流れを確認しておく(予備知識として必要なので)。R16 のマニュアルでは次のような用語で説明しているので、用語の使い方と操作の関係を明確にしておきたい。

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00-エフェクト指定の流れ.jpg
※この図はブログ執筆者(foussin)が書き起こしたもので、R16 のマニュアルを丸写しにしたものではありません(マニュアルよりも分かり易い図になっているハズ)。

●解説:
手順1. エフェクトの選択
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これは『エフェクト回路の選択』と、回路という単語を加えると
分かり易くなる。エフェクト回路の種類(2種類)を選択する。

種類:SEND RETURN EFFECT と INSERT EFFECT の2種類
操作:該当するボタンを押す
  f:id:foussin:20160420071549j:plain
01-エフェクト回路選択の該当ボタン.jpg
 
手順2. アルゴリズム選択
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『アルゴリズム(手順)』では技術屋さんの専門用語なので分かりにくい。が、
後述のパッチを構成する最小単位である『エフェクト・モジュール』の配置の
順番が同じになっているという括りで、アルゴリズムと呼んでいるようだ。

これは『エフェクト・カテゴリーの選択』と書いた方がずっと
分かり易くなると思う。要するに『何系のエフェクト』なのかを表している。

種類:センドリターンは 2種類、インサートは 9種類
操作:左右矢印キーで選択
  f:id:foussin:20160420071621j:plain
02-液晶画面と矢印キー.jpg
 
手順3. パッチの選択
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ユーザー目線で見れば、パッチとは『エフェクト本体』を意味すると思うが、
エフェクトという言葉が何度も登場するのも混乱の元だし、ここは『パッチ』
という名称をそのまま使うのも悪くないと思う。

パッチは『エフェクト・モジュール』という部品を組み合わせて作られている
そうだ。で、どうやらこのモジュール、マニュアルから察するとオブジェクト
指向プログラミングで出来ているっぽい。

アルゴリズム(カテゴリー)が同じパッチは、おそらくエフェクト・モジュール
のパラメータの値を少し変えているだけで、それに別名を付けて区別している
だけなのかな、と自分では推測している(確証は無いが)。

種類:パッチ数は、いっぱいある (数えるのが面倒なほど…)
操作:ダイヤル操作で選択
  f:id:foussin:20160420071650j:plain
03-液晶画面とダイヤル.jpg
 
手順4. パッチの編集
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パッチは、ユーザーがある程度自由に編集できる。が、これについては言及を
避けたい。下手にいじってプリセット設定を上書きしたりすると、元に戻すの
が大変そうな気がするので。当分の間は定義済みパッチを選択して使うだけで
いいかなあ、と自分は思っている。

操作:該当パッチを選択して『矢印キー』を押すと EDIT と表示。
   (その後の操作は未確認なので書けない)
注意:編集したくない人は EDIT と表示されたら『矢印キー』で戻ろう。
  f:id:foussin:20160420071708j:plain
04-液晶画面と上下矢印キー.jpg

 ここまでで、エフェクトを選択するまでの流れが予備知識として掴めたと思う。だが、今回の記事のメインテーマは『センドリターン・エフェクトを使う』ことだった。それについては、まだ全然書いてない。。。
 

センドリターン・エフェクトの指定:

 まずは上述のとおりの操作をする。[SEND RETURN EFFECT] ボタンを押し、左右矢印キーで『リバーブ』か『コーラス/ディレイ』かを選択。あとはダイヤルを回して使用する『パッチ』を選ぶ…操作はこれだけだ。

 ところで、トラックミキサー設定では『左右矢印キー』でトラックが選択できたが、センドリターン・エフェクトではトラックの選択ができない。つまり、リバーブ、ディレイ系のパッチは全トラック共通のエフェクトということだ。

 トラック別に残響音が違っていたら確かに不自然なので、これは理に適っている。その代わり、センドレベルはトラックミキサーで個別設定ができるので、リードギターは強めのディレイにして、リズムギターにはエフェクトをかけない…といった使い方ができる。なので、トラックミキサーでのセンドレベル指定が重要になってくる。
 

 さて。プリセット済みのパッチは、リバーブが22個(00~21)、コーラス/ディレイが18個(00~17)ある。それを全部紹介するとマニュアルの丸写しになってしまい、それは著作物の無断転載にあたる(引用と認められるかは微妙なトコロ)。それに、それだけでは自分自身の備忘録にならないので、自分なりの分類をしようと思う。

●デフォルトのパッチ:
 リバーブ………… :00.TightHal ... 汎用リバーブ(硬め)
 コーラス/ディレイ:00.ShortDLY ... 汎用ショートディレイ

トラックミキサーでセンドレベルを 0 より大きくした途端に聞こえてくる
デフォルトのエフェクトがこの 2つ。おとなしめで自然な効果。

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●リバーブ系のパッチ:
 これは、ダイヤルを回しながら曲調にマッチするパッチを選べばいいと
 思うので詳細は省く。先日の『窓辺の三月(失敗テイク)』の動画では、
 12.BritHall というパッチを使った(と思う)。

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●ディレイ系のバッチ:自分が気になったパッチをいくつか列記
 02.Doubling …ディレイ間隔が非常に短いものをダブリングと呼ぶらしい。
 10.SoloLead …強いのでソロ楽器だけに CHORUS SEND をかけて使うかな。
 11.WarmDly  …自然なアナログ風ディレイ。

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●コーラス系のバッチ:自分が気になったパッチをいくつか列記
 01.GtChorus …ギター強調用。
 07.DeepCho  …深い汎用コーラス。
 08.Vocal    …ボーカル強調用。
 12.EnhanCho …弱めだが、元の音源が良ければ使えそう。ダブリングで
        コーラス効果を生み出してるらしい(実際はディレイ?)。

 13.Detune   …フランジャー的、フェイズシフター的な強い効果。
 14.Natural  …いい感じ。先日の『失敗テイク動画』では、これを使った
        と記憶しているが、よく覚えていない。ブログを書くため
        に録音後もアチコチ設定をいじってるので。。。

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●テンポに同期するディレイのバッチ:
 04.Delay3/4 …付点8分ディレイ
 05.Delay3/2 …付点4分ディレイ
 15.Whole    …全音符ディレイ
 16.Delay2/3 …2拍3連ディレイ
 17.Delay1/4 …16分ディレイ

 今は試さないけど、いずれ試してみたい。テンポと同期ってメトロノーム
 のテンポと同期するってことかな。『かえるの合唱』とか『カノン』とか
 クイーンの『ブライトン・ロック』とかが 1人で録音できるって事と思わ
 れる。ちょっと気になったのでメモ。

 とりあえず『トラックミキサーで音作り』関連のトピックはここまでとする。気力が残っていれば『インサート・エフェクト』についても書くつもりだったが、もう気力が残ってない。つーか、ギターの練習にもっと力を入れたいし。。。

 

 それにしても、MTR の名前の『R16』…Web ページ解析エンジンは、このページを『R指定付きのページ』と勘違いしてるような気がするなぁ…別にいいけどさ。

ZOOM ズーム マルチトラックレコーダー 18トラック同時録音 16トラック同時再生 R16

ZOOM ズーム マルチトラックレコーダー 18トラック同時録音 16トラック同時再生 R16

 

 このとおり、R指定の商品ではありませんので。。。(^^;

(おしまい)